2025年春、北陸の地に根ざした家族経営の酒蔵「吉江酒造」に、大きな試練が訪れました。
4月25日早朝、瓶詰め作業場と保管庫が火災によって全焼。幸いけが人はなく、社長であり杜氏でもある吉江美一(よしえ よしかず)さんも無事。しかし、主力銘柄「太刀山(たちやま)」の製品化は一時的にストップせざるを得ない状況となりました。
小さな蔵が醸す、確かな味「太刀山」
吉江酒造は1948年創業。霊峰「太刀山」にちなんだ銘柄名が印象的です。酒米には富山県産「五百万石」や「山田錦」を使用。庄川の伏流水と向き合いながら、蔵元自らが手がける酒造りは、まさに「地の力」が生きた一本。
「太刀山」はキリッとした辛口が魅力。私が初めてこの銘柄に出会ったのは、日本酒を飲み始めた大学生の頃。これまで飲んだ富山のお酒とはひと味違う辛口に衝撃を受け、その男らしさに惚れこみました。
正直なかなか見かけないお酒でしたが、富山駅のお土産やさんで親に買ってもらって、一緒に飲んだのを今でもよく覚えています。これが私の好きなお酒で、こんな粋なお酒を呑める私はすごいでしょ、と軽く自慢げでした。きっとそんなファンが少なくはないと思います。
復旧に向けて


富山の酒造組合と、北陸酒販株式会社の協力のもと、タンクに入っていたお酒の出荷が6月入ってすぐに行われ、現在(執筆時:R7.6上旬)各取扱い店舗にて購入することができます。
加工・瓶詰は「満寿泉」で有名な桝田酒造店さんで行われました。ラベルは北陸酒販さんで用意されたとのこと。
吉江商店さんへ買いに伺ったときに、少しお話を伺うと「まだ電気が通っていなくて、井戸水も汲めない。まだまだ復旧の見通しが立たない」とおっしゃっていました。
支援の呼びかけ
飲んで応援したいという方は、富山県内の酒屋さん、石川県はイオン、岐阜県はシマヤの一部店舗、大阪府は近畿富山会館にて取扱いがあるとのことです。
口座も開設されています。
北陸銀行 富山丸の内支店 普通預金 No.6049674
口座名:富山県酒造組合 火災お見舞金受入口座
(トヤマケンシュゾウクミアイ カサイオミマイキンウケイレコウザ)
普段、あまりあちこち酒蔵へいけない私ですが、今回は本当に何か動かねばと思っています。そもそも、このブログを始めたきっかけが、大好きなお酒がなくならないために自分にまずできることは何か、でした。今ここで動かねば、意味がない。
このブログを読んで、太刀山を応援したいと思っていただいた方は、ぜひ拡散をお願いします。
火災で酒造りが一時中断されていても、その魂は途切れていません。応援の声が、再びお酒を醸す力になります。
出典:ANNnewsCHYouTubeチャンネル、富山県酒造組合HP、北陸酒販株式会社【公式】X、富山の地酒ファン倶楽部【公式】Xより