———温泉に入ったら、観光気分そのままに、日本酒を飲みたい。

そんな願いをかなえてくれるお店が『松浦酒造 獅子の里』です。石川県にある、全国でも指折りの温泉地、山中温泉にあるこちらのお店をご紹介します。

観光に便利な立地と”きき酒”

山中温泉の中心部、総湯から歩いてすぐ。湯上りに日本酒を飲み比べするのはいかがでしょう。
おススメのお酒を堪能できる飲み比べセットや、貴重なお酒をいただくことができます。

飲み比べ3種セット

気に入ったお酒を買って宿でいただくのもいいですね。

銘柄ごとに味わいの特徴などの説明が丁寧に書かれているので、非常にわかりやすいです。

店内には、この地域のお祭りを象徴する獅子頭や、観光名所『こおろぎ橋』のモチーフなどが飾られていて、観光気分を味わいながらお酒を堪能するにはもってこいです。

今おススメのお酒は?

『純米吟醸生酒 無垢』 
12月から味わえるお酒。時期が立つごとにガスが感じられるすっきりした”おりがらみ”の生酒。

『純米大吟醸 凛』  
華やかな香りが特徴。加賀友禅の額をラベルに使用。お酒の華やかなイメージに合ったグロリオサのお花が描かれており、お祝いのお花でもあることから、お祝いのシーズンにふさわしい。

『超辛純米酒』 
南部杜氏が東北から仕込みに来ておられた時代から受け継がれた味。食中酒として鬼の絵柄が特徴。 

ラベルの華やかさの真相

『純米大吟醸 凛』の華やかなラベル、スパークリングタイプの『活性純米吟醸生酒 鮮』の色鮮やかなラベルは、実は松浦酒造の若女将のご実家つながり。ご実家にはなんと加賀友禅作家のご家族がいらっしゃるのです。

『純米大吟醸 凛』のラベルはお父様の加賀友禅の額を使用。『活性純米吟醸生酒 鮮』は、弟さんの作品が使われています。

お店に込められた先代の思い

さて、店舗がここにあるので、酒蔵はすぐ横にあるのだろう———。そう思う方は少なくないはず。
実は、松浦酒造が日本酒を造っている場所は、店舗とは離れたところにあるのです。

1931年(昭和6年)、山中で大きな火事(山中大火)がありました。この時、酒蔵と店舗が同じ場所にあった松浦酒造は、一気にどちらも失います。

何かあったとき、どちらかが生き残れるように———。

先代の思いが、蔵とお店の場所を分けた理由でした。

南部杜氏から現杜氏へ

23,4年前までは、南部杜氏が東北から来てくれていたという松浦酒造。南部杜氏から受け継いだ技術を現杜氏(14代目オーナー杜氏 松浦文昭さん)が花開かせます。

スパークリングタイプの『鮮』は、現杜氏の松浦さんが独自に開発した瓶内二次発酵の技術によるもの。現在瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒は広く知れ渡っていますが、こちらで販売されているスパークリング日本酒は、技術提供を受けずに松浦さんが長年苦労して開発したもの。
実際にいただいたところ、発砲が力強く、香りと味わいの調和が非常に素晴らしい、飲みやすいお酒でした。

1996年に撮影された南部杜氏と蔵人

現在、蔵では仕込みが行われ、店舗はまた新酒で賑わいます。

山中温泉へ来た際は、ぜひ『松浦酒造 獅子の里』へ立ち寄ってみてください。心ほぐれる味が待っています。

店舗詳細

『松浦酒造 獅子の里』

場所 石川県加賀市山中温泉本町2丁目

電話 0761-78-1125

営業時間   9時~18時(毎週水曜日 定休)

HP 「獅子の里」加賀・山中温泉の酒蔵|松浦酒造

投稿者

izuko

日本酒検定3級を取得し、酒蔵巡りを始めた2児の母。富山を拠点に、子どもがいても楽しめるお酒ライフを目指し中。日本酒の本を出すのが夢。

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