おもいでの酒『三笑楽』

izuko日記

 日本酒を広めたい、良さを伝えたいと日々こっそり日本酒と関わっている子育てママの izukoです。

 今回は、私の思い出のお酒『三笑楽さんしょうらく』をご紹介しますね。

 富山県南砺なんと市のお酒『三笑楽さんしょうらく』に初めて出会ったのは、大学生の時です。大学の前に餃子で有名なお店があり、そこの『三笑楽(とり印)』がとてもおいしかったのです。「とり? とにかくおいしい!」くらいの感覚で、あのときはなにも考えずに飲んでいましたが、今は「中華に合うんだな、これは」というくらいにまでは成長しました。

 南砺市の企業で少し働いていた時、実家に帰る手土産に、三笑楽の日常的によく飲まれている上撰(酒蔵が決めたランク付けのようなもの)を買って帰ったことがあります。その頃は本醸造も純米吟醸も違いが分かっていないので、自分の給料で買えるお酒を買って帰ったわけです。すると、父がどこぞのいいお酒を用意していて「あれ、安物買っちゃったのまずかったかな」となりました。用途も違えば、楽しみ方も違うし、値段うんぬんじゃないのですが、高ければおいしいという誤解はするもので、ちょっぴり、親に悪かったかな、という気分にはなりました。実際そのお高いお酒はおいしかったです。

 あれから十年弱、日本酒の勉強をしてから実家に買って帰ったのは、やはり三笑楽の上撰でした。コンビニにも売ってて、手ごろで、おいしくて。子連れの専業主婦にはありがたいお酒です。そして今回、実家で待っていたのは中華料理。とあるスーパーの中華惣菜がとっても美味しくて、三笑楽にめちゃくちゃ合うんです。そもそも南砺市は五箇山という観光名所があるのでご存知の方もいらっしゃると思いますがそこそこ山深いところです。そんな地域では、味の濃い保存食が酒の肴になるので、お酒はスッキリとした飲み口より、しっかりとした旨みのある方が合うようです。なので、色々な料理に合うように作られているのですが、中華料理と合せていただくと、なんて素敵なマリアージュ! と思って、幸せに浸っていました。父も、何も言わずに「お前の好きな酒でいい」と一緒に飲んでくれて。

 おいしさは、値段だけじゃないんですよね。日本酒はどうしても高級品がおいしいと思われがちですが、思い入れのあるお酒、自分の舌に合うお酒、その時の料理に合うお酒、飲み方、飲み仲間、いろいろとあります。私は私の楽しみ方で、日本酒を楽しみたいと思っています。「粋だね」って思われる、素敵な女性になりたいな、って思ってます。

 あなたには思い入れのあるお酒はありますか。はじめて飲んだお酒、お祝いでもらったお酒、だれかと夜明けまで語り明かした時のお酒……。久々に、そんなお酒を思い出して、飲んでみるのもいいかもしれませんね。ちなみに私は先日、なかなか見かけなかったあの「酉印」が割引で思いもよらぬところに売っていたので、即決して買って帰りました。これくらいは許されたい……。一升瓶を手に子どもと歩くママ。傍目、お使い程度に思われていたらいいな、と思いながら店を出ました。瓶が大きいので隠しきれてないのですが、夜な夜なこっそり楽しんでいます。

 おもいでの酒、また他にも紹介していきますので、ぜひ次回もどうぞお楽しみに。

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