私の実家はド田舎で、山に囲まれたのどかな土地です。毎年この時期になると、家の目の前にある一本の木が実をつけます。それは、梅。
梅って、一本の木でも案外たくさん実をつけるもので、私が生まれる前からずっと、その梅を使って母は梅酒を作っていました。なぜ梅干しじゃなくて梅酒なのか、私は訊ねる気もないのですが(むしろ梅酒大歓迎)、これもそこそこな量ができるわけです。何せアルコール度数の高いお酒に漬けるわけだから、飲むにはちょっと割らないときつい。消費するのも意外と大変だなと思っています。そのまま飲むっていう強者もいらっしゃるでしょうが。
ある日母が、「梅酒みつけた」と言って、忘れ去られた梅酒の大瓶を持ってきたことがあります。そうするとますます「だれか飲んで」くらいの量。それに群がるのが娘です(笑)。
私がお酒を覚えたころは、甘くて飲みやすい梅酒が一番。飲みやすくて飲みすぎることもありました(遠い目…)。実家を離れてからは、時々梅を送ってもらい、梅酒を自分で作ったこともあります。自分の子どもが生まれた年の梅でつくったことも。子どもが二十歳になったお祝いに開けるのが、我が家の酒好きたちの密かな夢です。
そんな梅といえば梅酒一択だった我が家ですが、近年うちの父が梅シロップを作るようになり、これがとてもおいしいうえに、子どもも飲めるのだから、ママとなった自分には梅シロップがちょうどよいのかも、と、最近は梅を凍らせておいて、飲みたいときに砂糖に漬けておくスタイルとなりました。梅シロップのクエン酸効果で、疲れが一気に吹き飛ぶので、夏バテ対策としてこの時期に作っておくのがよいなぁと思っています。
梅仕事といわれるように、梅を使った加工食品は、ひと手間かかります。梅を採りにいくのも大変ですが(親任せ)、汚れを取り除いたり、ヘタ取りするだけで私は結構な時間がかかります。そのあと、作りたいものによってアルコールに漬けるなり、砂糖やら塩やらに漬けるなりするわけですが、なんだか、こういう無心になってやる作業が私は好きだったりします。梅の香りもいいですしね。ちなみに自分のコレといったレシピもないので作り方は紹介しませんが、おススメができたらまたいつか載せるかもしれません。
今回は、梅シロップ+日本酒+ソーダでおいしく飲めないかな、と思って試してみました。
梅シロップ 大さじ2
日本酒 大さじ2
炭酸水 100㎖
以上、大雑把ですが、思った通りの『梅酒もどき』の出来上がりです。梅シロップがあれば、子どもには梅ジュース、ママは梅酒もどきを楽しむことができて、まさに一石二鳥。お酒を加えても疲労回復効果は残っているだろうと思い込むのが酒好きの思考。ちなみに今回使った日本酒は、甘口でやさしい口当たりの「春心(兼六桜)」。こちらの日本酒についてはまた別で紹介したいと思います。
日本酒で割らずに最初から日本酒で梅酒を作ればいい、という方もおいででしょうね。私もいつかはやってみたい。ただし、皆様、ご注意を。作るときは20度以上のアルコール度数があるお酒を選んでください。腐りやすいとかではなく、酒税法上の決まりなのです。アルコール度数が低いもので作ると、アルコール発酵が進んで度数が上がる→節税対策されちゃ困る、という具合です。梅酒用の日本酒が売られているので、買うときは「梅酒用」で検索してください。
皆さんも梅酒や梅ジュースなど、ぜひこの時期に楽しんでみてくださいね。
※後日談。家の前の梅の木は伐採され、今はどこぞの山で梅を収穫しているらしい。まったくわからん田舎の果樹マップ…。
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